語学堂に通う学生で、韓国の大学への進学を考えている人は非常に多いです。

語学堂で学んだ後、4年制の大学や大学院に進み、その後帰国するというパターンですね。

僕自身も韓国の大学に籍を置いているわけですが、今後韓国の大学に進学を考えている人が、覚えておくいいことについて話をしようと思います。

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4年制大学と語学堂の違い

2つの共通点

大学と語学堂(ここでは4年制大学を”大学“、大学付属の語学堂は”語学堂“と呼ぶことにします)の共通点は、どちらも学生として扱われる点です。

どちらも学校の授業、カリキュラムをしっかりこなさなければならないという条件があるので、勉強ができなければビザが取り消される可能性があります。

まあ当然といえば当然ですね。

2つの相違点

語学堂はあくまで「語学学校」であって、専門分野について学ぶ「大学」とは違います。

そのため、語学堂に比べて大学の方が、入学手続きも複雑です。

また、大学は留学ビザ(D-2)として1~2年、語学堂は一般研修ビザ(D-4)として半年~1年程度と、ビザの期間も違います。

大学に入るための手順

外国人特別枠って?

外国人が韓国の大学に入る方法として、一般的なのは「外国人特別枠」で入学することです。

外国人は韓国人学生とは別に定員があるので、その枠から入学するというものですね。

ある程度の学力とその国の言語能力を備えていればOKというのが、外国人枠の選定基準です。

試験は書類審査と面接というパターンが一般的です。

なぜ一般と試験が違うの?

もともとその国の言葉がわからない人たちが、現地の学生と一緒に学ぶのですから、何倍ものハンデを抱えることになります。

そのため、一般枠とは選抜方法が違うわけです。

外国人学生の語学力の基準として定めているのはTOPIK(韓国語能力試験)4級以上、もしくは語学堂で4級以上を終了した者です。

中級以上であればいいわけですから、語学堂で上級まで通った学生なら問題なくパスできます。

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提出書類の準備と注意事項

外国人枠で応募するために、まずは必要書類を準備しましょう。

大学のHPから必要書類の確認ができます。

韓国外国語大学のHPを例に見ていきます。

必要書類を大学のHPで確認する

大学のホームページ

입학안내(入学案内)から재외국민과 외국인(在外国民と外国人)へと入っていきます。

 

志願条件

外国人枠のページに入り、모집요강(募集要網)から受験のための流れや必要書類などを確認できます。

こういう単語は読み取れるようにしておきましょう。

 

ちなみに재외국민(在外国民)というのは海外に住んでいる韓国籍の人のことです。

在日韓国人や在米韓国人は、この枠になるということですね。

たとえ韓国人の家系で育っても、韓国籍ではない(日本国籍などに帰化しているなど)場合は外国人として受験することになります。

在外国民と外国人でも手続きが違う場合があるので覚えておきましょう。

 

必要書類

必要書類が書かれたページです。

自分の受験枠では、どんな書類を提出しなければならないのかを確認しましょう。

在外同胞(海外に住んでる韓国人)と違い、外国人は書類の数が少ないのがわかります。

ちなみに脱北者は外国人として扱われるようです。

必要書類を準備する

提出書類の中には、小学校の成績書類なども必要です。

小学校の成績証明
中学校の成績証明
高校の成績証明
高校の卒業証明
戸籍謄本のコピーなど
旅券のコピーなど

こういった書類は取得にも時間がかかるので、少しづつ準備を進めていくのが大事です。

他にも入管(韓国の出入国管理事務所)で発行する出入国事実証明という書類も必要です。

不法滞在や密入国などの犯罪歴がないか調べるんだろうと思いますが、旅行などで過去にどの程度韓国に来た事があるのか、記録が残っているということですね。

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提出書類とアポスティーユ証明

外国人が用意する書類は、韓国語で書かれていないものがほとんどです。

外国語で書かれた卒業証明などは、それが本物だと証明しないといけません。

そこで必要になるのが「アポスティーユ」です。

外国語で書かれた書類の点検

本来、外国語で作成された書類は、相手国の大使館に持っていき、厳しい点検を受けなければいけません。

大使館でチェックを受け、点検済みの証明を出してもらって初めて、書類が学校に提出できる状態になります。

ところが、書類の点検には時間と手間がかかります。

そこで書類のチェックを簡素化するのが、アポスティーユです。

書類の点検の簡易化とアポスティーユ

アポスティーユとは、書類の偽造など「不正はしない」という国同士の信用のもとに、チェックを緩和しようというものです。

「ハーグ条約」に加わっていることが条件で、日本と韓国どちらも加盟国です。

加盟国同士での書類のやりとりであれば、わざわざ相手国の大使館に行かなくてもいいわけです。

アポスティーユは、外務省で証明を発行してもらいます。

公文書と私文書の違い

アポスティーユ証明は、相手国の大使館の点検を受けなくても、日本の外務省が「この書類は本物だよ」と証明してくれるものです。

しかし、外務省は国の機関ですので、公文書にしか証明を発行してくれません。

公文書とは?

公文書とは、市役所など公的機関から発行してもらう書類で、国公立の学校の書類も公文書になります。

国はどこの誰が書いたかわからない書類にまで、アポスティーユはくれないんですね。

したがって、私立高校の証明書類を持って外務省にいっても門前払いになります。

私文書は公証役場で

公文書以外の証明書類は、すべて私文書として扱われます。

では、私立学校を出た場合、書類はどうすればいいのでしょうか?

そこで出てくるのが「公証役場」です。

公証役場とは簡単に言うと、私文書を公文書にしてくれるところです。

これで私立高校の書類も、公立高校のものと同じように扱ってもらえます。

ワンストップサービスを利用しよう

公証役場で私文書を公文書化したら、外務省でアポスティーユの申請ができます。

ここでもし「ワンストップサービス」がある公証役場なら、これを積極的に利用しましょう。

ワンストップサービスとは、公証役場が外務省に代わってアポスティーユ証明を出してくれます。

つまり、公証役場に行くだけで、私立学校の書類のアポスティーユ証明が取れます。

ただし東京、神奈川、大阪など一部の公証役場でしかワンストップサービスには対応していませんので注意しましょう。

ここまでやってはじめて、書類が揃えられるわけです。

学歴書類の落とし穴

外国人枠では、その国の言語を使いこなせ、かつ一定以上の学力があると認められれば入学できます。

その学力があるかどうかを判断する基準になるのが「学校の成績証明書類」で、韓国は小学校の成績から全てチェックします。

恐るべしですね。

ところが、この成績証明には、落とし穴が潜んでいます。

成績証明が出ない人がいる

日本では学校教育法施行規則改正によって、94年4月以降に小中高に入学した生徒の成績証明は、卒業後5年しか保管されないんです。

つまり、卒業してから5年経つと成績証明は出なくなります。

94年4月よりも前に入学した場合でも、書類の保存期間は卒業後から20年です。

これによって、次のようなことが起こります。

一度社会に出てから、再び学ぶのは遅い?

高校を出て就職し、数年間社会に出たとします。

その後、韓国への留学を決意し、語学堂に入りました。

ところが、語学堂を出て大学に入ろうとしたものの、成績証明の記録が取れないため、必要書類をそろえらず、受験そのものができない。

こうなると、外国人枠での入学は諦めるしかありません。

こういう見えないところでしれーっと法改正してるのを見ると、日本政府も結構ずるい気がします。

20代後半になって「もう一度勉強しよう」と思っても遅いわけです。

勉強は学生時代のうちにしっかりとやっておきましょう。

通信簿は残しておけ

5年間という保存期限は国公立の学校の場合であって、私立の場合は学校独自の判断になります。

それでも学校側が記録をずっと残しているという保証はありません。

そこで、通信簿を残しておきましょう。

通信簿があれば、それをもとに成績証明を発行することができます。

たとえ闇に葬ってしまいたい成績でも、記録は手元に残しておけば、いざって時に役立つかもしれません。

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管理人のケース

最後に僕がサイバー大(韓国外語大)に入学した時の話です。

ただし、僕が入学した時と現在では変わっている部分もあるので、あくまで参考程度にどうぞ。

外国人枠が使えなかった

僕もやはり、成績証明の発行ができませんでした。

そのため外国人枠はあきらめ、「一般枠」で受験しました。

一般枠になると、韓国人と一緒に試験を受けることになります。

また、一般枠の受験でも自己紹介書などを書きますが、これが面倒です。

外国人が一般枠で受験するには?

韓国の高卒以上、韓国の大検合格者、あるいは海外(韓国以外の国)の高卒以上。

このどれかを満たしていれば受験は可能なので、外国人でも問題ありません。

ただし、韓国以外の高校を出た場合は、卒業証明に韓国語の翻訳をつける必要があります。

日本から学校の書類を取り寄せたのですが、これも手間がかかった記憶があります。

日本から書類を取り寄せる方法については「海外にいながら日本の書類を取り寄せる方法」をどうぞ。

韓国の公証役場に行く

日本の学校の書類に、韓国語の翻訳を添付しなければいけないのですが、翻訳文は私文書になります。

私文書がそのままでは何の効力も持たないのは、先ほど話した通りです。

翻訳本に証明をもらう

翻訳本を公文書化するためには、公証役場で証明書をもらう必要があります。

ところが、翻訳本は韓国の公証役場で翻訳文の認証を受けろという指定がありました。

そのため、ソウル市内の公証役場に行き、証明書を出してもらいました。

翻訳本そのものは自分で作成したので、その分安く済みましたが、それでも3万ウォンくらいの手数料を取られたと思います。

韓国の公証役場って

韓国の公証役場は「공증사무소、공정증서」などで検索すると出てきます。

공증(公証)という文字も日本語と同じですね。

翻訳本に対する証明が可能なところを調べて行きましょう。僕は光化門近くにある公証役場にいきました。

日本から入学の申し込みをする場合、卒業証明に付ける翻訳本については学校に確認した方がいいかもしれません。

サイバー大の入学試験

決められた時間に大学のHPにアクセスして、オンラインで試験を受けます。

当然、韓国語でもある程度パソコンを使いこなせるスキルは必要です。

韓国語でパソコンが使えないと致命的ですので、サイバー大に入るつもりの人は、パソコンの取り扱いも覚えておきましょう。

ちなみにサイバー大もちゃんと学位は出るので、入学も卒業も簡単ではありません。

最後に

本来というか他の国の人たちは、語学堂の入学手続きだけでも書類には大使館の証明をもらったりと大変です。(特に中国人)

日本人は、このあたりの大部分が省略されています。

こういう時に、日本国籍のブランドの高さが実感できます。